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最新プロジェクトを更新致しました(豊橋城下線 第4工区送水管布設工事)

2015年11月28日

  豊橋城下線 第4工区送水管布設工事

 

工事場所  愛知県豊橋市飯村町~藤並町地内
工期     平成23年10月7日~平成28年3月25日
発注者    愛知県 企業庁
施工者    TSUCHIYA・NDS・山昇 特定建設工事共同企業体
工事数量  水道管敷設工 鋼管φ900mm  L=3,790.6m
うち泥水式シールド工法       L=3,742.7m
うち開削工法              L=47.9m
立坑築造工              2箇所
地盤改良工              1式
その他附帯工            1式

「豊橋城下線 第4工区送水管布設工事」は、シールド機外径2.14m 掘進延長3,742.7mと小断面・長距離のシールド工事です。
工事の目的は、豊橋市に現存する2箇所の浄水場にバイパス回路を設け地震等大規模災害が発生した場合に飲料水を確保可能とするインフラ整備の一環であり、事業計画全長約24㎞のうち約3.8㎞を担当するものです。

 

 施工場所となる豊橋市二川地区は、愛知県の最東端に位置し、東海道53次のうち33次目の宿場町でもありました。現在も、本陣資料館・旅籠・商家・道標等々の史跡が数多く残ります。また、この地域一帯には「岩」のつく町名・地名が多く、シールドの路線上にも「火打ち坂」の地名が残ります。これは、当時火打石が多量に採れたことに由来するものだそうで、現在でも地表面に露出した岩盤が随所に見受けられます。
シールド工法は、種々条件によって色々な形式に分類されますが、当該工事は掘進延長が長いことから「泥水式シールド工法」として設計されました。泥水式シールド工事を施工する場合、巨礫及び岩盤の存在は大きな障害となりますが、実際に、掘進した地質は200mm以上の巨礫を含む砂礫層と、岩盤については極めて硬質な砂岩・頁岩・チャートであり、カッタービットの摩耗を促進させる石英の含有率も高いものでした。

【工事の特徴】
(1) シールド掘進延長が3,000m以上(中間立坑無し)であり、工事計画届については厚労省大臣の認可が必要となる。
(2) 国道1号線・東海道新幹線・東海道本線(以下新幹線・在来線とする)の重要構造物を横断する。
(3) 掘進延長3,742.7mには22カ所の曲線部があり、これには25R・30R・40R他の急曲線が含まれる。
(4) シールド掘進断面の土質は粘性土・砂質土・礫質土・岩盤と変化に富む。特に岩盤については一軸圧縮強度197MN/m2と極めて硬質である。
(5) シールド掘進断面の土被りは4mから33mと大きな幅をもつ。

 

平面図


土質断面図


 


発進基地全景                    シールド機投入

 

施工状況としましては、シールド掘進開始以来、シールド機内バイパスバルブが閉塞して掘進不能となり、凍結工法によって解除したこと等小規模なトラブルはあったものの地山は砂礫→粘性土→砂礫と変わり、概ね順調に掘進しました。
しかし、平成25年1月に No.1,554リング(発進からの掘進延長1,173m)の掘進途中、カッタートルクの急上昇からカッター回転自動停止が頻発し、掘進速度も0.5mm/分まで下がってしまいました。切羽の地山状態を目視することはできない為、コピーカッターを使用して全周20箇所の地山貫入探査を行った結果と、これまでの掘進データから下部1/2断面程度に岩盤が介在していることを確信し、掘進を停止しました。
当該工事は、設計図書において約700mに亘り岩盤の存在が示されており、その直前で岩盤用のカッタービットに交換する予定でしたが、停止した位置はそれより約300m手前であり、新幹線の直下でした。JR他関係機関から承諾を得て調査ボーリングを実施した結果、停止位置では想定通り断面下部約1/2は硬質の岩盤であり、その岩盤線は進行方向に向かって上がっていることが判明しました。この結果から、シールド機のカッタービットをこれまでの一般土質用から岩盤用に交換する必要が生じましたが、この時の土被りは約21mであり地下水を止めることと、切羽地山の自立が前提条件であり、何らかの補助工法が不可欠となりました。補助工法の選定では薬液注入・高圧噴射・地下水位低下・凍結・圧気の中から、各方面への影響・交換作業の安全性・工期・コストほか総合的に判断して、薬液注入工法が最も適合すると判断しました。薬液注入は道路占用の関係上すべて夜間作業となり、薬液注入の終了後直ちにカッタービットの全数交換と、調査ボーリングの結果から新幹線・在来線の横断後に施工する25Rの急曲線部は全断面硬岩層になることが明確になっていたので、各種注入孔とグリッパー装置の増設他シールド機の改造を併せて実施しました。

一般土層用カッタービット            岩盤用ローラービット

平成26年3月に予定した作業を全て終了させシールドの再発進を行いました。新幹線及び在来線の横断範囲の掘進断面は下部が岩盤、上部は礫層と余掘りし易い状況にあり、クレーショックを注入しながら掘進を行いました。新幹線直下という特異性から、掘進不能に陥ってから再発進まで14カ月間を要することとなりました。
新幹線・在来線を横断後、全断面が硬岩層に変化し、25Rの施工に入りました。一般的な地質と比べて岩盤掘進では当然掘進速度は下がりましたが、致命的なトラブルなく掘進を継続できました。当初の設計では約700m間の岩盤層の後は一般的な土質に戻り、カッタービットも交換することとされていたが、再調査を行った結果第2、第3の岩盤層を確認し、これによって岩盤部分の掘進延長は当初設計の約2倍となり、カッタービットの交換も22回に及びましだ。第3岩盤の掘進が終了した段階で最終到達まで650mの地点にあり、通常であれば一般土質用カッタービットに交換するべきところ、再々度の岩盤を警戒して岩盤用カッタービットを装備したまま到達へ向かうこととしました。

坑内直線部                     到達状況

 

平成27年7月27日に3742.7mの掘進を完了し、満足のいく精度で立坑に到達することができました。
シールド掘進 一次覆工が完了した現在、二次覆工へ移行するための準備を行っています。
二次覆工はシールドトンネルの中へφ900mmの鋼管を引き込み、溶接接合のうえセグメントとの空隙へエアモルタルを注入するもので、言わばパイプインパイプ方式です。
これからの二次覆工が最終的に発注者へ引渡す構造物となるため、品質管理には十分留意して作業を進め、着工以来無事故、無災害で推移していますのでこれを継続し、無事完工を目指します。